第77話

思えば、元彼にとって私は、都合の良い女で。




もしかしたら身体目当てだったのかも?……と思うほどデートの記憶と言えばそればっかりで……最後の方は、惰性でつき合っていたといってもいいぐらい。




それを甘んじて受け入れていた私も、愚かというか……間抜けというか……。




自分を安売りしていた事にも気付かず、これが大人の恋愛なのかなぐらいに思っていたのだから……ホント、救いようがない。





初めての恋愛経験がロクでもなかった所為か、すっかり色恋に縁遠くなってしまって……それ以来、クリスマスイブはいつも一人。




家にある材料で普通に夕ご飯を作って食べて、テレビを見ながら過ごしていたっけ。




家の中にいる分には、他人に哀れみをかけられるほど寂しくもないけれど、繁華街には近づかないようにしていた。





クリスマスイブ独特のウキウキムードとは無関係な自分を、わざわざ再認識するようなものだと……思い込んでいたから。





そうやって卑屈になるだけならまだしも、クリスマスイブを恋人同士で過ごす人達を僻むような事もあって……。




………なんか、顧みるほどに、自分で自分の事が情けなくなってくる……。





多分、彼がいなかったら……私はそれを、情けないとすら思えなかったんだろうな……。





気付けたのも、直視できたのも、きっと彼がいてくれるからこそ。






ああ、なんて単純なんだろう、私は……。





彼が私の傍にいてくれる事が……今、たまらなく嬉しい……。






雑居ビルの鏡張りの壁面に目を留めれば、そこに映っている自分の姿は、煌く町並みに溶け込んでいて……。




その顔は、自分でも気恥ずかしくなるぐらい幸せそうに綻んでいた。

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