第64話
動揺しながら、水道のレバーを上げ、泡まみれのお茶碗を手早くすすぎ始める。
「安原さんが元気そうだとホッとします」
矢野ちゃんは、忘年会の翌日の私を思い出したのか、困ったような笑顔を浮かべて肩をすくめた。
確かに……。
あの日の私は、自分で思い返しても酷い有様だったと思う。
目は腫れぼったかったし、膝には何枚も絆創膏を貼り付けてて……ホント、ボロボロだった。
太田主任と矢野ちゃんには私がボロボロだった理由を隠しておくことも出来なくて、景山さんの事を打ち明けて。
彼女たちに話を聞いて貰って大分気持ちが安定したけれど……景山さんとは、依然、顔を合わせられないまま……。
忘年会から2日が経過した今も、心の片隅で景山さんの言葉を引きずっているのは事実。
それでも、こんな風に鼻歌を歌えるまでに浮上できたのは……。
ひとえに、電気ストーブの精……彼のおかげだったりする。
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