第4話 エボリューション?
第47話
玄関で乱雑にブーツを脱ぎ捨て、私はストーブの前に倒れ込んだ。
両肩を上下させながら息を吐き、震える手でスイッチを入れると、電気ストーブはいつものように微かな音をたてて赤く灯り始めた。
そのヒーターの色と熱に安堵して、視界がにわかにぼやけていく。
冷えて乾いてバリバリに突っ張った頬を掠めながら、大粒の雫がコートの裾に落ちた。
玄関のダウンライトの光とストーブのヒーターの赤色だけに灯されていた薄暗い部屋が、徐々に明るく白んでいく。
そして……。
コート越しでも分かる程の確かなぬくもりが、私の背中に広がっていった。
包み込むように背後から回された輝く触手。
この光が、もっと確かなモノであったら……。
私はそれに縋り付いていただろう。
決して身体の重みを委ねることの出来ない……この曖昧な……存在。
抱かれていると感じられるのは、こうして彼の腕が私の身体を覆うビジョンを視覚で認識しているから。
その腕の中で身じろぐことも、その腕から逃れることも、容易くて。
抱きしめることは、叶わない………。
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