第44話
あり得ない。
冗談じゃない。
それは……あなたが……周囲にそう思わせるような事をしているからで………っ。
「俺、今すぐ離婚はできないけど……もしもその気なら……考えても……」
り……こん?
離婚~~?
な、何言っちゃってんの?
どうしちゃったの、この人っ!?
「うえっ、いえいえっ、それ、あり得ないですからっ!……その気とか、そういうの、全然……っ!」
卒倒寸前の意識を立て直し、私は思いっきり首を横に振った。
頭がクラクラするのは、もはや、酔いの所為だけなんかじゃない。
「不倫だからとか、そういうの気にする事無いぜ?………どうせ、アッチだって男作ってんだし」
私の精一杯の否定なんて気にも留めていないといわんばかりに、彼は、涼しい顔で髪をかき上げている。
艶めいた眼差しと微かに笑んだ口元。
その口元から紡がれた言葉は全て、戯言のようでしかないのに……。
笑い飛ばす事を許さない雰囲気が、その場に漂っていた。
……これはマズイ。
この場にこれ以上いたら、良く解らない理由をつけられて、景山さんの意のままに物事が運んでしまいそう。
逃げなきゃ。
「私、困りますっ!!」
私は、景山さんの手を力いっぱい振り払い、逃げるようにお店を飛び出していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます