第43話

「あ~、あの、そろそろ私……」




「お前だって、満更でもないんだろ?」




「は……?」




浮かした腰の力が抜けて、再びストンとソファに沈む。



金槌で頭を殴られたような感覚とは、まさにこの事。



一瞬、頭の中が真っ白になった。





マンザラデモナインダロ?




なんで……?




私が……?




なんで……そうなるの?




疑問ばかりがせめぎ合って、否定の感情が一言も言葉にならない。




何も言えず膝の上のバッグを掴んでいる私の手に、景山さんの手が重ねられた。




熱くて……生々しくて……不快な体温。




「お前が彼氏作らないのは、俺の所為じゃないかって……うちの課の連中が言ってる」




「……っ!?」



驚きとも怒りともつかないダメージが、全身を駆けめぐる。




息苦しくなり、視界が大きく眩んで……胃の中のモノをもどしそうになった。

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