第2話 受難
第36話
忘年会シーズンならではの賑わいを見せていた駅前通りも、夜の11時を過ぎると人影もまばら。
通り沿いの殆どのお店のシャッターは閉ざされていて、歩道も閑散としている。
それでも24時間営業のコンビニやファストフード店の前は明るく、カラオケ店や飲み屋の看板の灯りと街灯とクリスマスイルミネーションが点灯しているので、物騒という感じではない。
問題は、繁華街をぬけた後の帰路だ。
この時間になってしまうと、私のアパートの方面に行くバスは無いし、タクシーもなかなか捕まらない。
駅前で酔っぱらったサラリーマン達と一緒にタクシーを待つぐらいなら、歩いて帰った方がマシと思ったけれど、実はちょっと心細かったりする。
しかも、今の私のコンディションはすこぶる悪い。
ぶっちゃけ、かなり酔っている。
酔いのまわりが人よりも遅いタイプの私は、もうすぐ二次会がお開きになるという頃になって、視界がぐらぐらと揺れ始めていた。
それでも私は、駅へと向かう景山さん達と別れるその時まで、普段通り気丈に振る舞った。
景山さんは私をタクシーで送ると言い張っていたけれど、私は、最終のバスで帰るから、と、毅然とした態度で嘘を突き通して。
とにかく、景山さんと2人きりになってたまるものか、という一心だった。
景山さん達に背を向けて、しっかりとした足取りで歩き出してから1分程が経過……。
さすがに、もう、限界。
これ以上、シラフらしさ満点で歩き続けるのはキツイ。
私は、よろめきながら建物の角を曲がり、身をかがめて大きく息をついた。
顔を上げると、そこには、赤提灯や色取り取りのネオン看板の灯る、狭い路地の光景が広がっていた。
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