第25話
目を閉じていても、ホカホカと温かい光りが私の全身を背後から包んでいるのが分かる。
春の日射しのようなぬくもりと。
皮膚をそっと掠める程度の…でも、煙よりも確かな感触が、私の意識を更に混乱させた。
「あ、わ、うわ…」
呑まれる!
そう思った瞬間、
『怖がらないで……』
はっきりとした声音で、そう、耳元に囁かれ、私はバタつかせていた手足をピタリと止める。
あまりにも切なげな声だったから、思わず聞き入れてしまった。
怖がらないでと言われても……怖い。
光に包まれている事が、というよりも、これが幻覚だと理解する事が。
……ああ、私は頭がおかしい。
この非現実的な現象より、頭の病気だと思う事の方が怖いだなんて……その感覚自体が末期だ。
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