第34話
コンテストの審査は簡単だ。参加作品を順番に見て審査員が良かったものに票を入れるだけ。今回は参加者は多いが作品として提出されたものは数えられるほどしかない。
まずは5名の審査員が良いと思った作品をあげる。そこから最終審査に入って、最後に票の多かった作品が大賞になる。
審査が進んでいく、のに最終審査に通る作品が全然ない。会場がだんだんとざわめき始めて、諦めて帰る人も多くなった。結局名前を呼ばれたのは二人だった。
「委員長」
「ハルさん」
私とハル、二人だけ。
「作品、完成したんだ。おめでと」
「ありがとうございます。ハルさんの作品も、本当に素晴らしいです」
「……何か照れんね」
ハルは頬を赤くする。が、それもすぐに元の表情に戻った。
「でも大賞譲る気はないから、覚悟しててね」
「望むところです」
最終審査は一瞬だった。なんせ2作品しかないのだから当然と言えば当然だが。静まりかえった会場に司会が開票の説明をする声だけが響いている。もう始まるんだ。
緊張で心臓が口から飛び出しそうだ。順番に審査員の票がモニターに表示される。私に1つ、次にハル。ハル、私。ここで同票になった。
握りすぎて白くなった指先に、そっと手が重ねられた。
「大丈夫だよ」
その声に小さくうなずいた。とうとう、最後の審査員の票が表示される。永遠みたいな時間の中モニターが更新される。
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