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第6話

自室でカバンをベッドに放り投げれば、カバンの中からもぞもぞと小犬が出て机に飛び乗った。その動きを追って、机に置かれた適当な大学の名前が書かれている進路希望書が目に入って、溜息を吐いた。別にその大学が嫌なわけじゃない、ただ私が目指す先とは違うだけだ。さっき言われた言葉が頭の中でぐるぐる回るのを、無理矢理追い出す。自分が惨めになって毛布を頭から被った。

 仕方ない、自分が努力しなかっただけだ。憧れだけじゃ何も変わらない。いつまでも子供じゃいられないから。だから、いつかはきっと私も前に進まないといけないと思ってた。


 ――でも、それがこんなにも急で、心の準備もできないくらいに突拍子もないなんて思ってもみなかった。

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