第4話
こじんまりとした店内を埋め尽くすように本棚が置かれている。本を受け取る前に店内を軽く物色する。気になるタイトルを見つけてはあらすじを確認して何冊かかごに入れる。あ、あの小説家新作出したんだ。
「あ」
「え?」
伸ばした手に、別の方向から出てきた手がぶつかった。その方向を見ればその人も驚いたようにこちらを見ている。藍色の髪に深い海のような瞳、真面目そうな印象が妙に親近感がある。同じくらいの年代のようだ。
「ごめん!この本だよね」
謝りながらこちらに本を差し出す彼は、大量の本とメモを持っていた。これだけ準備して探しに来たなら、私が気分で買うよりも優先した方がいいだろう。そう思って差し出された本を返した。
「いや、私はまた今度でいいので。どうぞ」
「本当?ありがとう……!」
少年はニコッと顔をほころばせてレジの方へと向かっていった。私はそれを見送って、いつもの場所へ足を向ける。ここに来るたびに意味もなく確認している、もはや癖みたいなものだ。
書店の奥の奥、人目につきにくい場所に鎮座する本を手に取った。見慣れた表紙の文庫本、……おばあちゃんの本だ。
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