第3話
「文芸科3年のメイサです。鍵の返却に来ました、先生いらっしゃいますか」
「あー委員長さん!こっちまでお願い!」
職員室で声をかければ返事は指導室の方から聞こえた。大人しく近づいて、扉からひょこりと顔を出した先生に鍵を渡す。
「毎日ありがとね、確認できたから帰って大丈夫――」
「せんせーまだー?」
彼女の言葉を遮るように指導室の中から声が飛んでくる。先生の姿越しにチラと中を見れば、ミルクティー色の髪の少女がいた。先ほどすれ違った生徒たちが話していた内容を思い出して、彼女を待っていたのかと納得する。
「すぐ戻るよ!……じゃあ委員長さんも気を付けてね!」
「はい、失礼します」
彼女――ハルさんのような派手な生徒たちは何を考えているのか、何も考えていないのか、授業の邪魔ばかりするから苦手だ。文芸科にはいないタイプだが、学科合同の授業できゃぴきゃぴとした声が耳に入るたび頭が痛くなる。そういう授業に限って私が進行役なのだから、世界は無情だ。
指導室なんて入った事もない場所に呼び出される彼女は、一体何をやらかしたのか。私にまで影響がでないものなら、どうだっていいのだけど。
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