第17話

続報無し。どうしてこうもこうも連絡すらしない人たちばかりなんだろう。校舎裏の水道の工事が始まったせいでわざわざ運動場の水道まで水を汲んで花壇に水をやる。陽さんも僕に任せっきりじゃないか。

 頭の中で文句を言いながら生物準備室までの道を戻っていると、そこには1つの人影があった。



「……三宅先輩?ですよね」

「あ、こんにちは。ここがアイマイ何でも屋さんであってるかな。誰もいなくってちょっと不安になっちゃった」



 彼の言葉に首をかしげる。僕が外に出る前は舞さんがいたはずなんだけどな。



「中に人いませんでした?」

「あれ、いなかったけどなぁ。すぐ終わるから伝言だけ。手紙とお菓子、ありがとう。もしまた会えたらその時はちゃんと声かけてね。……って言っておいてもらえるかな」



 湊さん、ちゃんと渡せたのか。練習したかいあってよかったですね。三宅先輩は本当にうれしそうに話している。僕たちがいなきゃ炭食べることになってましたよ、とは言わないでおこう。



「あとコレ、君宛てだよね。一緒に入ってたから」

「?」

「ちゃんと渡したからね。……あーあ、手紙を書いてくれた子、1回くらい顔見てみたかったな」



 その言葉に疑問がよぎる。あれ?話したことがあるって話を聞いたような気がしたんだけどな。あれは、誰が話してたんだっけ?



「校舎裏の薄暗い花壇って分かる?そこに古い水道あるでしょ」



 確か、湊さんは話した。って言ってて。



「そこで俺、結構サボってるんだけどさ。どうもその時見てたらしいんだよね、いや恥ずかしいなぁ声かけてくれればよかったのに」



 じゃあ、と手を振って彼は運動場へ戻っていった。

 僕はなぜかずっと胸騒ぎがしていて。ぼうっと彼の背を見送った後、弾かれるように生物準備室のドアを開けた。



 

 ――窓が開いている。いつも通りだ。


 


 舞さんがいないだけ。それ以外は、いつも通りだった。



「……舞さん?」



 手紙は、何となく開けられなかった。




 答:最後は手紙に落ち着くよね?

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