第15話
「なんですか?コレ」
「炭でもつくった?」
「クッキーだよ」
ドヤ顔でこちらに炭を差し出す湊さんに恐怖を覚える。本気で言ってるんだろうか。
僕たちの表情を見て彼女は不思議そうにクッキー(炭)をかじる。普通にモグモグ食べているが音はバリとかバゴとかいっている。怖い。
「私食べれるからさ?わかんないんだよね」
「味覚いかれてるんですか?」
「さすがにヤバいと思う。アプローチの仕方変えたら?」
「でも三宅くんお菓子が好きだって言ってたから……」
「話したことあるんですか。ずっと囲まれてるのに珍しいですね」
彼女になろうと思わない、とはいっても好きな人とは話をしたいらしく。彼は休み時間もずっと女子に囲まれている。
「三宅くんたまに校舎裏の花壇で部活サボってるの。そこでたまたまね」
「盗み聞きはまずいよ」
「人聞きが悪い!……話しかけてくれた、みたいな?…………多分」
「なんで多分がつくんですか?」
とんでもない物を生み出すとはいえ、彼女は本気だ。話を聞いていればそのくらいはわかる。
「1週間後にサッカー部の遠征があって、女の子たちは夏休みだからほとんど来ないの」
湊さんが熱弁している間も、僕の視線は炭クッキーと焼いたら生地が消滅したシフォンケーキの悲しい型にしか目がいかない。
「だからさ、おねがい。1週間で私がお菓子をつくれるようにしてください!」
無理では?
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