第7話

「ありがとね、君らのおかげだよ」

「でしょ?もっと褒めなさい」

「うまくいってよかったです。これに関しては森川先生のお手柄ですよ」

「モコちゃんか、それもそうだね」

「褒めろ!」



 花壇を眺めながら日陰で座り込んだ僕たちは依頼料のジュースを傾けていた。不服そうな舞さんの頭を、陽さんは小さく笑いながらなでる。

 なんだかとても大変な1週間だった。ただ、その疲れは嫌なものではなくて、なんとなく森川先生が言っていたような青春みたいだと思った。



「私、もう一本買ってくる」

「あ、これ使って。奢らせてよ」

「ありがと!」

「遠慮しないんですね」



 駆けだした舞さんを視線で追いかけていると、陽さんが口を開く。



「本当にありがとう。これで寂しい花壇だったここも楽しくなるよ」



 彼の言葉にホッと息を吐いて目を閉じると、隣の体温がいやにあたたかくて眠たくなってくる。暑さや疲れも相まって、このまま眠ってしまいそうだ。



「なんか、陽さんの隣ってポカポカしますね」

「よく言われるよ」

「はは、何ですかソレ。太陽か何かですか、ふふ……。…………え?」



 笑いながら顔をあげると、そこには誰の姿もなかった。

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