第6話

雨の中作業するのも、という話になって秘策は翌日へ持ち越しとなった。

 僕と舞さんが花壇へ向かうと、やはり彼は先にいて日陰で腰を下ろしていた。僕たちに気が付くとひらひらと手を振ってみせた。夏らしい暑さになってきたというのに汗もかかずに元気そうだ。こちらは生物準備室からバケツ2つ分持ってきてすでにじっとりと汗をかいているというのに。



「それで、何か秘策があるって言ってたよね」

「コレです」

「何?コレ」

「"つよつよ植物"です」

「つよつ……なんて?」



 僕が罪悪感で俯くのとは反対に、舞さんは高々とVサインを掲げた。



「モコちゃんの秘密道具の中から持ってきた!"つよつよ植物"って書いてあったから多分咲いてくれるよ」

「調べたら本当に日陰でも大丈夫みたいなんで、これを植えます」

「……怒られない?」

「その時はその時です」



 バケツに突っ込んできたシャベルやとりあえず持ってきた肥料の袋を花壇に広げる。



「手伝ってくださいね。怒られる時もお願いします」

「もちろん!」

「ねぇ、暑いよ~……」

「文句言ってる暇があるならさっさと終わらせましょう」

「あはは、スパルタだ」



 そうして、気づけば1週間が経っていた。

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