問2:寂しい花壇を見ているのは誰
第3話
エンカウントからたっぷり3分固まった僕だったが、ようやくぎこちなく動いて椅子に座る。正体不明の少女の正面、に。……あ、案外キツイぞコレ。
「私は
「どこかで会いましたっけ?」
「モコちゃんが話してたから知ってるよ」
モコちゃん、というのは多分この部屋の主のことだろうな。そこそこの馴れ馴れしさを言葉の端から感じるし、2年か3年なのかな。というか森川先生、この子には僕のこと話したのに僕には話さなかったのか。脳内でへラリと笑う彼に心の壁を立てておく。
「この子たちのお世話をお願いされたんでしょ?せっかくの中学生初めての夏休みに可哀想だね!」
「あなたは何しに来たんですか?」
「舞」
「え?」
「あなたじゃなくて。名前、舞だよ」
「……舞さんは何しに来たんですか」
「ふふん。時に君、階段とか廊下の掲示板で素敵なチラシを目にしなかったかい?」
名前を呼ばせてご満悦な彼女の言葉に記憶をたどるもそんなものを見た記憶はない。首をかしげる僕に表情がどんどんと曇っていき、とうとうぷっくりと頬を膨らませた。
「チラシ?目の前の掲示板には貼らなかったんですね」
「貼ったよ!ちゃ~んと見てきなさい!」
部屋から押し出されるように掲示板の前に立つ。花火大会の宣伝やらどこかの部活の大会日程だとかが貼られる中、それはあった。
虹色に輝く文字で"なんでも相談してください!"と書いてあり、その横にはツインテールの女の子が親指を立てているかわいらしい絵がついていた。
「ね、どう?いいかんじだってでしょ」
「来るわけないんじゃないですか?あんなので」
びっくりした。人間ってあんなにダサいの作れるんだ。
「あんなのって言った!?」
「いやだって夏休みなんだからそもそも校舎に入る生徒がいないんですよ?なのに来る人なんて――」
「こんにちは!チラシ見たんだけど、君たちがお悩み解決してくれるの?」
静かに愚痴を漏らしていると唐突にガラガラと生物準備室の扉が開かれ、少年がヒョコと顔を覗かせる。
本当に来るんだ……。
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