第3話

そんないつも通りの日、何も変わらないただの日常。なじみの個人店に顔を出してジュースやらお菓子やらを漁る。あの人何が好きなんだったっけ?適当でいいか。

 グダグダと思考を巡らせるその視界に、ふと見慣れないものが映った。



「……うわ」



『秋になっても美味しさかわらず

大特価 ラムネ』



 ぽつんと一本残された瓶。ここの夏祭りは遅くにやるから需要はあるはずだが、こんな時期まで売れ残ってるのなんて珍しいもんだ。

 たったひとつ、段ボールに無造作に置かれたソレにどうにも目が向く。


 ただ八から九に数字がひとつ変わっただけなのに、大特価、なんてポップつけられた姿がなぜか酷く哀れに見えたから。



「……おばさん、コレいくら?」



 ラムネ、と名のついた、季節に置いていかれたのを買ってみた。


 ただの気まぐれだった。

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