いちにちめ

第2話

高校三年生っていうのは、期待していたよりも案外つまらなくてすぐに飽きてしまう様なものだった。




「お前ら受験生なんだから進路はハッキリさせておけよー。進路希望調査票の期日は来週の月曜日まで。解散!」



 八月が終わって早くも一週間が経ったある日。担任が意気揚々と声を張り上げて五日間の長い学校生活は終わった。

 

 受験だ何だと騒げるのはやっぱ将来とかを考えてるからだろう。何なんだ、将来って。知らねぇよそんなの。

 何にも考えずにただ地元のそこそこの大学の名前を書いた紙を教卓に置いて、クラスメイトが残る教室を出た。




 のに、ピコピコと鳴り続けるスマホのせいでまっすぐ帰路に就くのは叶わなくなった。


 おつかいよろしく、と大してかわいくもないキャラクターのスタンプを既読無視して、息抜きだと言い聞かせて重たい足を動かす。

 弟ってのは姉に反抗なんてできるわけがないのだ。なんという不条理、許せねぇな。



「あー……、これが家庭内カースト。さいこー……」



 諦めの溜め息を吐いて、自転車のカゴに放り投げたタオルを頭から被る。

 九月に入ってもう秋です、なんて顔をしているくせに無駄に強い夕日から逃げながら見慣れた道を歩いた。

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