第28話

「え、何、歳聞いた?誕生日でも祝ってくれんの」


『は。違うけど』


「一月十二日、イチ・イ・ニなるの日な」


『そうかまた無視か』


「あ、歳か。多分二十五とか」


『もうええわ』




「…ツッコミ下手?」





ププ、と笑えば向こう側で声の詰まる音がして、満足にゆるりと口角を上げる。




『…あのなあ、また環くんが無断で仕事断り入れるから、こっちはそのフォローに大変なんだって姫が』



「あー。はいはい、悪い」



『悪いと思ってるなら』


「それでもやらないけど」




バッサリそう言い捨てると、イマイチはまた言葉に詰まる。


だから俺は笑う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る