第17話 最終話 任務完了
真由美の読み通り、頭を失った自衛隊、警察は命令系統が崩れて政府が送り込んだ本土の自衛隊によって制圧されてしまった。民間人や幹部以外の隊員は、一人の犠牲者も出さずにクーデターは十日たらずであっけなく幕を閉じた。
毒キノコの成分で撹乱し、元々あった野望に火をつけた事件だった。
「真田二等陸尉か……任務は完了した。あとはそちらの仕事だ。まさかなぁ毒キノコに侵された狂人が、こんな事件を起こすとは」
流石ね、想像を遥かに超えた貴方の能力には感服いたしましたわ。ありがとう。東野さん今度は任務以外で、お逢いしいたわ」
「ふっ、俺もそう願いたいものだ、君となら……」
眞田真由美二等陸尉と幸二の活躍で、その王国は幻と消えた。報告を受けた日本政府は喜んだのは確かだが、だが何故かしっくりしないようだ。超法規処置とは言え、日本国憲法から言えばヤクザを何十人も復讐の為とはいえ殺害した事は立派な犯罪者である。政府がその手を借りた事だ。勿論、かん口令が敷かれた事は言うまでもない。報酬は真由美を通じて支払われたがその額は定かではない。そして真由美は一等陸尉に昇進した。東野幸二は麻衣の墓参りに訪れていた。
「麻衣、また日本に戻ってくるとは思わなかったよ。しかしそのお蔭で麻衣の墓入りが出来た訳だが、しかし俺の存在をあの女性自衛官が何処で知ったのだろう? もしかして麻衣のお姉さんか。お姉さんも自衛官らしいが。いや別にいいんだ。祖国の力になったのと、これからも堂々と日本に帰って来られるからな」
了
幻の王国、北海道 西山鷹志 @xacu1822
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます