第13話

「一緒に帰れないかな?」



言った!言ったよ。ついに言ってやった。

本当はずっとずっと言いたかった。


一緒に帰ろうって。


送ってほしいなんて言わない。


別れ道まででいいから、一緒に歩きたかった。


でも、多分……。



「無理」



ですよねー。


あえなく撃沈です。


ガックリと項垂れた私の前で、矢崎くんの咳払いが聞こえた。



「本当は……無理、だけど。今日はいいよ。◯ろはす奢ってもらったし……春山って確か、大学方面だよな?」



県立大学の近くの マンションに住んでいる私は、中学からは徒歩圏内。この公園からだと15分位で着く。


矢崎くんは、自転車通学で私の家の方向とは途中まで一緒。


だから、いつか一緒に帰れたらなぁって思ってたんだ。


……って、今いいよって言ったよね。



「いいの?本当に一緒に帰ってくれるの?」



顔をあげて飛びつくように近付けば、あっさりと距離を開けられてしまう。

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