第56話

「うっ…お兄ちゃん…!

 もう…二度と、目覚めないかと…!?」


「……」


 救急病院の個室で、意識を取り戻した、英智…


 硝子窓に映る、人影…

 包帯だらけで、満身創痍の、醜い男―


「!?

 ぎゃああああ!?」


「英智!?」

「お兄ちゃんッ!?」


 英智は、失神した。



「事故とはいえ…娘が、息子さんに借金を背負わせ…非道い態度を取ったのは、事実……


 金で片付くとは、思いませんが…誠意として……」


 宇多子の父は、慰謝料と賠償金の支払を、早々に表明した。


「少女は反省し…保護者も被害者に、十二分な補償を……」

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