1-5
「失礼します」
そう言いながら301の扉を開けると、その客がお茶を飲み終わったところだった。お釣りである8千円を客に返し、常套句を口にする。
「隣、座っていいですか?」
その客は財布をしまいながら少し笑って、大丈夫ですよ、と言った。慣れてない様子がかわいらしく思えた。
「僕お客さんのことなんて呼んだらいいですか?お客さん、だと味気ないし」
客はえーと、と思案する。
「タカフミで。名前で呼んでください」
「じゃあ、タカフミさんで。タカフミさんお若いですよね?僕と同じくらいかな」
「24です」
「じゃあ3つ違いですね。僕色んなお客さんとってきたけどタカフミさんが一番若いかも」
そういうと、タカフミさんは照れ笑いした。
「うれしいな。一番か」
「僕のお客さんあんまり若い人いないので僕もうれしいです。今日は一緒に楽しみましょうね」
タカフミさんは少し笑って頭の後ろを少し掻いた。こいつ、マジで初めてなんだな。
「じゃあシャワー行くので服脱ぎましょう」
はい、と答えてタカフミさんは立ち上がる。
座っていたから分かりづらかったが、立ち上がったらその大きな体躯がよく分った。ゆうに身長180cmは超えている。比較的広い301の部屋が窮屈に感じた。
タカフミさんがシャツを脱ぐと、綺麗な腹筋が露になった。
「すごい。綺麗な身体ですね、触っていいですか?」
「どうぞ」
了解を得て、ぺたぺたと腹筋を触る。自分とは似ても似つかないほど洗練された身体だ。美しい。こういうのを肉体美というのだろう。
身体を触っていると、頭の上から「あの、」と遠慮がちな声が聞こえてきた。
「ごめんなさい、つい見惚れてしまって。シャワー行きましょう」
そう言いながら慌てて服を脱ぎ、下着姿になる。タカフミさんも僕と同じく下着姿になったが、少し様子が変だった。股間の部分を手で隠している。
「すみません、身体触られたらちょっと勃っちゃって」
タカフミさんは股間から手を少しどかすと、そこはパンツの上からでもわかるくらい盛り上がっていた。
普通の客であれば気持ち悪いと一蹴するようなことではあったが、タカフミさんの第一印象と身体つきを見るとそうは思えず、むしろ自分の生来の性が刺激されるようだった。
シャワー室についた時には少し収まってはいたものの、仕事で図らずも使い込んでしまっている後ろの心配をするくらいには大きいモノをタカフミさんは持っていた。シャワー終わりにうがいをしてもらうと、いよいよプレイ開始だ。
ふたりでベッドに横になる。
タカフミさんは僕のあまり健康的とは言えない細い身体を触りながら
「壊しそう」
と呟いた。
「壊さない程度にお願いします」
少し笑って言うと、タカフミさんもそれにつられて笑った。
笑った顔がチャーミングだと思った。
その後のことはよく覚えていない。
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