第83話
そのまま、室内に並べられた机の上に下ろされて、至近距離で見つめ合う。
夕日の赤色に染まる響はやっぱり綺麗で、これから先はこの人を堂々と独占しても許されるのだと思えば、嬉しいけれど、やっぱりまだ実感が湧かない。
「涙、……止まんないな?」
「……響が私のこと好きって、夢みたいで」
「……っ、そういうこと、今言う?」
「え?」
何故呆れたため息を吐かれなきゃいけないのか、見当もつかず首を傾げれば、困ったように眉を下げながら、親指で涙を拭われた。
「泣き顔、……可愛いのムカつく」
「なに、それ」
「俺より先に、あいつに見せたの許せねぇ」
「……」
机の上に押し倒されて、ぬるりと差し込まれる舌は少しだけしょっぱかった。でも、私を見つめる響の瞳がそれを打ち消すほどに甘ったるい。
「……これからは、全部俺だけにして」
「うん」
「涼が安心して甘えられるように、涼を守れるような男になるから……お願い、ずっと俺の隣で俺だけ見てて」
「……分かった」
本当は、甘えられなくたっていい。守られなくたっていい。響のそばにいられれば……そんなことはどうだっていいの。
でもね?響が私のために頑張ろうとしてくれていることが信じられないくらい嬉しいから……私は私で、ちゃんと素直な人間になろうって思った。
「響、大好き」
「……おま、え」
「彼女になれて、嬉しい」
「……っ、」
ぎゅっと抱きつくと、反比例にフラフラと力なく机に突っ伏せる響。
どうしたのだろうと顔を覗き込もうとすると、突然ガブっと耳を齧られた。
「ひゃ、なに?!」
「……ここで煽るな、ばか」
「え?!」
「あんま可愛いことばっか言うなって。ここで襲われたいの?」
「……」
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