第66話

「響、……響っ、」


「涼、」



漏れ出しそうな「好き」の数だけ呼ぶ名前。堪えた「好き」は、私の理性の数。


律動的に激しく奥を突きながらも、真っ直ぐに私を見つめ続ける響。貫くような視線に全てがバレてしまいそうで目を伏せれば、「こっち向け」と顎を掴まれ、無理やりだらしない表情を覗かれる。



「俺だけ見てろ」


「……はっ、ぁ」


「俺も涼だけ、見てるから……ん、」



途絶え途絶えになる声と僅かに歪む表情が……あまりに色香を放っていた。


私だけじゃなく、響を気持ちいいのだと。私が、響を気持ちよくしているのだと。理解すれば嬉しくて、もっと知らない響を見てみたくて……この行為の虜になりそうで少し怖い。


元々備わった本能なのか、きゅうきゅうと縮まる下腹部が終わりを求め始めた。頭がおかしくなりそうな快楽の波からもうすぐ解き放たれる気配がする。



「……はっ、……イ、きそ」


「っ、」



喉に詰まって吐き出されたその声に、身体中がきゅううっと締め付けられた。格好いいのに愛おしくて、色っぽいのに可愛いと思う。



「くっ、そ、涼……締めんな、」


「……知らないっ、んん」



お互いの限界を感じた瞬間、どちらともなく抱き合った。


さらに強く打ち付けられ、肌と肌がぶつかり合う乾いた音が部屋に響き渡る。



(好き、……好き。響、好き)



頭の中でひたすら叫ぶ言葉。口から漏れ出ないよう、必死に唇を噛んで今までで一番の大波を耐え抜くこと数十秒。



ドクンと私と響だけがこの世界から解き放たれ、そのまま溶けるようにベッドに沈んだ。

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