第63話
力の入らない体はお酒のせいなんかじゃない。初めての快楽を知り、内から湧き立つ熱に浮かされているからだ。
溢れる涙は悲しいからじゃなくて、ひどい緊張と波のように与えられる彼からの刺激に心がついていっていないからで。
「あーあ、グズグズじゃん。涼」
「……う、うう」
ショーツに潜った彼の指をとっぷりと濡らしてしまうのは……、こんな形でも響に触れられてどうしようもなく身体が悦んでいるからだ。
「王子の名折れだなぁ?」
「お願い、何も言わないで……」
「やだ、涼の恥ずかしがる顔が見たい」
「悪趣味」
「そ?趣味はいい方だと思うけど」
「……っ、」
ゆっくりと動き出す指。私の反応を見ながら太ももに溜まっていたパンツをショーツごと脱がされる。
腰に跨ったまま「あっつ……」と声を詰まらせた響は首の後ろに回した手でシャツを脱ぎ、私と同じく裸を晒す。
「……」
「……」
廊下の明かりが漏れるベッド。
朧げながら瞳をしっかりと焦がすそれは……紛れもなく彼のフェロモン。
なんて、美しいんだろう。なんて、愛しいんだ、狂おしいんだ、もう……
このまま彼の中に溶けていきたいほど心酔している。この夜に。
「……綺麗だよ、涼」
「んっ、……はぁっ」
優しく笑って耳に吸い付いた響の言葉は、蕩けた頭が作り出した幻聴だったかもしれない。
そのくらい朧げで、現実味のない現状。それなのに確かな快楽。
下の突起を練るたび、あられもない声が部屋に響く。ビクンと体が揺れて頭が真っ白になると、間髪入れず押し入る指。
全てが初めて、これから起きること全部未知。
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