04.酔わされナイト

第51話

「合同飲み会、ですか?」



お昼休憩中、正面に座る田中さんに問えば「そう!」とご機嫌に返される。



「インターン生の歓迎会もまだだったし、せっかくだからうちの課とIT合同で飲み会しようかって話になってるの」


「そうなんですね、ありがとうございます」


「お酒飲める歳だよね?」


「はい、5月に成人してます」



笑顔で答えれば、「うっ、はたち!若っ」と眩しそうに大きな瞳が細められる。


田中さんの隣で「直江さんってITのインターン生と友達だったよね?」と首を傾げるのは冷やしうどんをすする加藤さん。



「友達……っていうか、幼馴染なんです」


「へぇ?すごいよね、あの子。オーラがあるっていうか……」


「どえらいイケメンがITに来たって社内中の女性社員が覗きに行ってるよ?」


「ああ、はは……」



ここだけの話、という風に語られるが、正直いつものことなので面白い反応も返せない。驚くポイントを探すなら、未だに響が発狂せずにやり過ごしていることくらいだろうか。



「直江さん、飲み会来るって?」


「あ、瀬古さん」


「OKでしたー」



女性3人の前ににゅっと現れた瀬古さんは「良かった。直江さん、好き嫌いある?」と質問しながらさりげなく空席に腰をつける。


違和感なく会話に混じるスキルはさすが営業マンという感じだ。私は若干人見知りなのでこのスキルは心の底から羨ましい。



「あの、……生魚があまり出ないお店だとありがたいです」


「了解。生魚苦手なの?」


「あ、いや、私は大丈夫なんですけど……」



……響が食べれないんだよね。生魚。

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