第31話

「……スカート、明日も履く?」


「一枚しか持ってないので明日は履きません〜」


「……ふーん」



どうしてそんなにスカートが嫌なのか。女嫌いだから?


相変わらず行動全てが摩訶不思議な響くん。彼に期待するのも絶望するのも時間の無駄だと分かっている。



「なぁ、スカート履いて出かけるならさぁ……」


「ん?」


「俺も連れて行って?それなら……許す」


「……」



だから何故にお前の許可制なんだ、とはもちろん思った。


でも、拗ねた子供のような言い方が可愛らしかったので、思わず「はいはい、了解」と彼の頭に手を伸ばす私は相当響に甘い。



「…………さっき、ごめん」



しょんぼりと謝った響。私に怒鳴られたのは初めてだったのでちょっとは反省しているのだろう。



「いいよ、あんたに振り回されるのは慣れてるから」


「……こういうのは、初めてだったんすけど」


「え?なんて?」


「鈍感は身を滅ぼすぞ」


「……?」



なんで私が怒ってたのに響が拗ねるんだ。意味わからない。



とりあえず今日一つわかったこと。


うちのわがままプリンセスはスカートがお嫌いらしい。





02.履くなよスカート

—end—

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