第四十六話
遅れました。あと、今回短いです。
⭐︎ーーーーー
「もういっか」
そう彼が言った時、首にハサミが突きつけられている。
魔力は操作できる、魔術も使えるから大丈夫か。
とりあえず、光魔法で認識阻害を。それと空間魔法で音漏れを防ぐ。
刺されてもどうにかできると考え、放置する。
「えぇ、そうですよ。私は天使です。それがどうしたんです。言いふらしたりするんですか?まぁ、そんなことされる前に消すんですけどねぇ」
...地雷を踏んでしまったようだ。
ただ、これで言質は取った。
後はこの情報で彼に学園祭で全力を尽くしてもらおう。
そのためにはまず、この暴れているのを止めないといけないな。
「それではさようなら。先生」
突き付けられたハサミが刺さる。
首から鮮血が舞う。
痛い。ただ痛い。
でもそれだけだ。
ハサミから彼の手を離させ、引き抜く。
それと同時に血が溢れるが数秒後には元通り。
「それで終わり?気は済んだ?私の話を聞く気になったかい?」
そう問いかけると彼は化け物を見たような、そんな顔をする。
「そんなわけない!!貴様の話なんて聞くわけがない!」
自分を奮い立たせるような声色で私に向かって言い放つ。
分かっていた。ただ、ここまで拒絶されるとは思っていなかった。
信用させるには時間が短かったか?
...彼はそう言う人物じゃないから無理そうだ。
ただ、話を聞いてもらうくらいの信用関係を結べなかったのは反省しないと。
まぁ、ここからだね。
そう思いながら、彼を見つめると違和感を感じる。
そして手へ目を落とすと違和感が明らかになる。
ハサミが手元にないのだ。
彼の動きには気をつけていたはずなのに。
手から離れたら分かるはずなのに。
一つ心当たりはあるが。
一端の天使が持ってるものかな?
でも、最初に戻っただけか。
いつ何が起こっても大丈夫なようにしていたが動いたのは彼の口だった。
「なぜ、何で先生はそんなに強いんだ?なぜ、俺はこんなにも弱いんだ?何で?俺に才能がないから?ねぇ、何で先生。何で?」
そう、心の叫びであろう声が響く。
「知らない。それを探すのが地上に降りた天使の役目だろう?他人に聞くのもありかもしれないがその他人の意見が本当に心に響くか?基本的に他人の意見は心の表層しか動かせないものがほとんどなのにか?...ただ、今は君の先生だ。少し助言をするとしたら使わないモノほどすぐ使いモノにならないし、君の悩む原因を取り除けば神に近づけれるだろうね」
そう言って締めくくるが彼は口を閉ざしたまま動かない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます