第三十六話
まずはセルリアスからだ。
彼女は魔法、魔術型で杖を補助媒体として使っている。
ただ、その杖は杖術として扱うこともできると。
中遠距離主体の近づかられた用の近接術もある。
魔法や魔術の弱点をよく理解していてその対策もできている。
基礎はおおよそできていていいね。
ただ、惜しい。
「近づかれた時の事に意識を向け過ぎて攻めれていないね。いいことだけど中距離以上は先手必勝だよ」
彼女はハッとして周り見渡すが時すでに遅し。
周りの魔術を見て降参の形をとる。
「君の戦い方としては正しい。ただ、少し臆病になり過ぎただけで問題はないよ」
実際、同格か少し上程度ならしっかりと戦いにはなっていただろう。
「はい、わかりました。ありがとうございます」
次はメシアだ。
彼の戦闘スタイルは騎士型かな。
戦い方が一つ一つ相手の道を潰す戦い方をしている。
常に長期戦を視野に入れているような。そんな戦い方だ。
頭や心臓という分かりやすい急所は狙ってこないが関節や足など後々響くところ突いてくる。
ただそれだけだ。
気分屋や相性の良い同格なら勝てるだろう。
でも力の差があるなら意味のない剣技だ。
肩狙いの突きを横に避け、手首に打撃を与え、剣を落とさせる。
「ッ!」
そのまま腕を掴み、投げる。
受け身を取れず、倒れたので追撃を入れる一歩手前まで行く。
「君の負けだ」
「ッ!?、...はい」
次はアベリアンか。
男か女かわからない彼は剣と盾を使って戦っている。
盾の防御がとても上手いが剣が出てくるのがワンテンポ遅い。
だから、そのまま攻めれば相手は防御しか取れなくなる。私の次が間に合うからね。
そして、慌てた攻撃の突きを受け流したらチェックメイト。
慌てたせいか盾が間に合わなかったらしい。
「ま、参りました」
次は.....イミテか。
「あ、僕は降参で」
「俺もー」
私が彼女を見た時、両手を上げながら降参を口にする。
それに便乗してフライスも降参する。
「ん、分かった。それじゃあ教室に戻ろうか」
教室に戻ってきた。
「みんな十分強かったよ。大体の強さは分かったから後は成長具合で授業の進み具合を変えようか。それと昨日の宿題の戦いとは何かについて考えたかな。これは持っておくべきものだからね。まだ分からない人はぼんやりでも良いから思い浮かべてておくと良いよ。...話すことがなくなったし授業でもしようか...」
黒板に向き直り魔力について書いていく。
書きながら話を始める。
「今から魔力について教える。...魔力は万能なもの。もしくは全能なもの。つまり、なんでもできる。例えば蘇りや天変地異を起こせる。その分の魔力が有れば、ね。だから、できるだけ鍛えるべき。ま、これは誰にでも言えることだね。で、魔力量を増やす方法は魔力を使うこと。ただ、使い過ぎないようにね。3割ぐらい残すように使う。これを魔力が全快したら繰り返す。これで魔力量が上がる。魔力操作ができる人は今日からしてみたら良いと思うよ。明日は魔力を操作する方法についてだよ。じゃ、お疲れー」
話が終わった直後に帰りのチャイムが鳴る。
この学園は午前中で終わる。
だから思った以上に早く終わる。
ヒイラギに午後から呼ばれていたっけ。
向かわないとなぁ。
そう考えながら学園から冒険者ギルドに向かう。
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