第三十五話
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「って言っても、自己紹介のやり方の説明ついでに私の自己紹介をしようかな」
一呼吸おいて話す。
「このAクラスの担任をすることになったユキ。担当はAクラスの全部の授業になる。どうぞ宜しく。ま、こんな感じの自己紹介で。私は担当について言ったけど得意なことや好きなこととかで問題ないよ。それじゃあ、貴方達から見て右の列の一番前からで」
右前から一人ずつ立ってもらい自己紹介をしてもらう
一応序列というのが決められているが私にとってはあまり関係ない。
おそらく一位から自己紹介をしているのかな。
立ち方、魔力量が後半になるにつれ、弱くなっている気がする。ただ、前半の方でもこのクラスでは弱い部類に入る奴はいる。
四十人ほどいるが思いの外、早く終わった。
全員分のメモが終わる。
「今日はこれで終わり。入学式もあったしね。でも宿題が一つ。それは戦いとは何か考えてくること。以上」
そう言いながら、目を引かれた生徒をピックアップする。
と言ってもピックアップするほど力の差があるわけではないし、私は人の才能なんて見れない。だから、序列三位までは印を付けておこう。
アイスティマ フォン セルリアス
エシア
レルネン フォン アベリアン
この三人は重要視してもいいだろう。
後、序列が一番下であろう、彼も。
フライス
彼はこの中で武力において圧倒的にトップだ。
隠そうとして気怠そうでずっと寝ているが。
それに私と似た気配を感じた。
このくらいか。
さて、明日は何をしようか。
「なぜ、私達は訓練場に行くんですか」
そう、セルリアスが聞いてくる。
次の日にクラス全員を訓練場に連れ出した。
「それは君達の実力を知るため。教える内容も君達合わせて決めようと思ってね。だから君達で戦略を練って、全員で私に向かってきて」
「それは各個人の実力はわからないんじゃ」
そういう声が上がってくる。
「私は視野が広いからそれは大丈夫。それに知りたいのは各個人の実力じゃなくてクラス平均の実力だからね。それじゃあ、今から三十分は戦略を練っていいよ。それを超えたら私から攻めるからね。三十分を超えないうちに攻めるのアリだよ」
そう言ってから離れる。
三十分を超えないうちに彼らは準備終えたようだ。
こちらを向き陣形を取る。
私の前方と横方を覆うような形だ。
「先生、覚悟はいいですか」
直後、背後からの攻撃を避ける。
「ッ!何!!」
「勿論。それにしてもいい潜伏だね。集まった三十分間の内に私の見えないところで姿を消して背後を取るのは素晴らしい。ただ、空気中の魔力との同化が出来てないね」
魔物侵攻の前なら気づかなかっただろうな。
魔力による全ての強化は偉大だな。
「さあ、かかっておいで。戦いはまだ始まったばっかりだから」
この私の発言を皮切りに全員が攻めてくる。
避ける、受け流す、避ける、避ける、受け止める、魔力防御、避ける。
魔術は見つけ次第陣を壊しているが同じ量の魔力を当てようとすると誰かが喰らってしまう。
怪我をさせたい訳じゃないからこれは無しだ。
ならどうするか。受けるしかない。
それに統率がしっかり取られているからか隙がまともにない。
その少しの隙すらも魔法や魔術でなくなる。
口頭での指示はないが誰かが指示を出しているはず。
誰だろう。
今、私に近接を仕掛けている生徒は可能性が低いから除いて、怪しい人は離れている中からいるかな。
おっと危ない。
足払いへの反応が遅れてしまった。
...一人、魔力伝達の中心になっている生徒がいる。
少ない回数と魔力で気づけなかった。
この少ない魔力でここまで完璧な統率が取れるのか。
精々、この魔力量ならモールス信号のようなこともギリギリだろう。
すごいなぁ。三十分でここまでできるなんて。
本当になぁ。
ならその魔力を断ち切ったらどうなるのかな。
『『『...?!』』』
伝達を妨害したことで統率が乱れる。
ここからが本番、と言いたいがもうダメそうだ。
一人一人が自分の好きなように行動するようになって隙が生まれてしまっている。
「焦るな!!」
そうセルリアスが言うが何も変わらない。
「大体わかった。そしてここから個人戦だ」
そう言いながら無差別に魔力で圧をかける。
立つことが出来るているのは前衛二人、後衛三人。
序列三位までの三名と序列が真ん中辺りが一人、最下位が一人。
ただ、序列三位以上は辛そうだ。
かけていた圧をなくしながら
「立てている五人から序列が上からおいで。立てなかった人達は隅に寄っておいてね」
と構えながら言う
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