第三十四話

 今、私は教壇に立っている。

「それでは授業を始めます」

 さぁ、これから誰がついてこれるかな?


 〜〜〜〜〜〜〜


 ギルド長室に入り、座っているヒイラギの隣に爺さんがいるのが目に入る。

「遅かったのぉ。転移すれば良かろうに」

「ユキは律儀だからね。だって紙を送ってから一日で来るからね」

「それはSランクとは思えんな」

「ハハッ、言えてる」

「で、本題は?」

 二人の話を遮って本題を尋ねる。

「いや、本題に入る前にハキム、よろしく」

「あい、分かった。...審査の結果、ユキは合格じゃ。これで晴れてSランクの仲間入りじゃ」

「いやー良かった、良かった。これで君のステータスが見ることができるよ」

 さぁ早く。とでも言わんばかりに催促してくる。

「そう焦らない。私は逃げないんだからさ」

「そうじゃぞ、ヒイラギ。そう慌てる必要あるまいて」

 爺さんが話している時に操作をしてステータスををヒイラギに見せる。

 爺さんも覗こうと顔を向けてくる。


 今のステータスはこうだ。

 名 ユキ

 種族 半神

 魔力 2,253,000 / 3,658,000

 ユニークスキル 嫉妬

 スキル 記憶術Lv.867 刀術Lv.592

     戦闘術Lv.346 短刀術Lv.286 etc.

 称号 神の弟子 半人半神 神の加護


「「…………」」

 刀術が思った以上に上がっているね。

 後、称号の部分に神の加護が付いている。

 いつ付いたんだろう。

 ...教会の時かな。

「は?何これ。まじでなにこれ」

「なんなんじゃ、この魔力はなんなんじゃーッ!!」

 加護だからおそらくプラスのことだと思うんだけど。

 詳しくは分からないからどうしようもないけど。

「半神って何?!スキルのレベル高すぎ!?しかも何?エトセトラってぇーー!!」

「そ、そんな、お、俺の魔力量より多い、だと?二百年以上生きたのに!?」

 ヒイラギ発狂しているし、爺さんは一人称が俺になるし。あと五月蝿い。

「こんなのがSランクに来るの?無理だよぉー。これ以上厄介ごと持ってこないでぇー。うわぁーー、いやだよーー」

「………」

 幼児退行と放心状態が生まれてしまった。


 はぁ、収集つかなくなったし、どうしようかな。

 まぁ、待つとして何して待とうかな。

 ...そう言えば串一本残してたんだった。

 アイテムボックスから取り出して、いただきます。


 美味しいねぇ。

 あっという間に食べてしまった。

 これなら何本あっても困らないね。

 おっと、食事の余韻に浸っている間に二人が戻ってきたようだ。

「儂としたことが少し動揺しすぎじゃったか」

「ぼくも少しで現実を受け入れられなくなるところだったよ。あと、ユキは僕の依頼は受けてくれるよね?ね?」

「んーある程度は」

「助かった...」

 心の底から安堵した様子だ。

 これで拒否したらヒイラギが壊れていただろう。

「それじゃあ、依頼を早速をしたいんだけど」

「内容と報酬は?」

「学園の講師か、侯爵の家令もしくはバトラーか。で、報酬は僕のできる範囲の事なら」

「期間は?」

「次の講師が見つかるまで」


 時間はある。

 それでギルドのトップが言うことを聞いてくれるなら安いな。

 ただ、少しくらい吹っ掛けてもいいだろう。

「学園の方を受けることにする。報酬は家と鍛冶場をこの街に欲しい。それと一クラスだけ担当にしたい」

「...うん。うん、オーケーできるよ。その代わりそこの担任になるけど大丈夫かい?」

 ヒイラギは紙を見ながら返事をする。

「無問題。それと授業内容は?」

「戦闘術、魔法、魔術くらいかな。勿論、教えたいことがあったら教えても大丈夫」

 分かりやすくていいね。

 それにそれくらいでヒイラギをこき使う権利を得れるなら得だ。

「よし、なら受けよう」

「助かったよ。なら今から説明しようか。...まず、この世界に学園は三つある。魔術学園、貴族学園、そして、ユキに行ってもらう自由学園だ。この三つの学園は連携を行い様々行事の企画をしている、という話は置いておいて、自由学園のに説明に移ろう。自由学園とはその名の通り自由が売りだ。だから、どの国からでも、どんな人物でも受け入れる。その上で貴族の子であっても、平民の子であっても平等に扱っている。有るのはその人物の実力だけ。でも、その人物が貴族の当主であったり、大きい商会のトップならそれ相応の対応を取る。それは実力だからね。そんな学園でユキには戦い方について教えてもらう。分かったかな」

「情報が少ないね。もっと情報をくれるかな」

「ならこのパンフレットを読むといい。話は以上だよ。それじゃ、また三日後に自由学園で会おう。バイバイ」

 椅子に座ったまま手を振っている。

 多分、早く退出してくれとでも思っているんだろうが、

「いーや、まだ話は終わらないよ」

 そうはいかせない。

「...何か分からんところがあるのか?」

「そこの話は大丈夫じゃなくて、その前のステータス。私だけが見せるのは不公平だと思うなー」

 そう話す同時にさっきまで空気に徹していた爺さんの下から魔術陣が現れる。

「そんな簡単に見せるわけあるまいて。それじゃあなー」

 転移魔術で逃げようとするがギリギリで術式を壊すことができた。

「逃すわけないよね」

 そう言って二人に詰め寄っていく。


 ここからもう一悶着あったが、無事二人のステータス情報を獲得することができた。


 〜〜〜〜〜〜〜

 それはおいおい確認するとして今はこっちか。

「まぁ、初めましてだからね。自己紹介からいこうかな」




 ⭐︎ーーーーー

 ヒイラギ「そう言えば、エトセトラって何」

 ユキ「スキルが多すぎて見づらかったからアマ様にお願いして作ってもらって教えてもらった」




 学園編(という名のユキの魔法・魔術、戦闘の解説)始まります。


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