第二十話
怒りをなんとか鎮めて思考をする。
こんなボロボロになっているが別に焦る必要はない。
それは何故か?
死ぬ可能性が限りなく低いからだ。
これも魔力があるからだ。
魔力という物は万能だ。
火や風、水や土あるいは光や闇、時には身体の強化など色んな場面で使える。
それは死にかけの状態でも例外ではない。
つまり、この死の直前なのに思考し気を失うことが無いのかというと魔力の消費によって死を先延ばしにしているからだ。
この間は話す事はおろか普通なら考えることすら出来ない。
ただ、痛みに耐えることが出来るのなら気を失わずに済む。
それにこの間なら蘇生が間に合う。
簡単に言えば生死の境目の時間だ。
そして、どちらかと言うと死の方に近い、ね。
それにしても魔力が使えないな。
ただ、この魔力が使えないのは持続性ではないだろう。
放置していたら治るだろう。
まぁ、対策は考えないといけないけどな。
もう分かったんだけどね。
体内に入った制御出来ない魔力が原因だ。
この魔力の影響で周りの魔力も制御出来なくなったんだろう。
分かれば対策は簡単だ。
体内に入れなければいいだけだ。
そんなことを考えている間に魔力が使えるようになった。
早速、回復魔術『復活』を発動する。
魔力を消費して死の淵から生還する。
立ち上がり、砂を落とし、刀を拾う。
怒りは抑えたとは言え、殺されかけたと言うのが不快で不愉快だ。
ただ、その感情は戦闘では足手纏いになることを私は知っている。
だから抑え込む。
真に信用できるのは自分だけ。
そう言い聞かせる。
「ただ、やられたらやり返さないと」
まずは殺し損ねた奴からだな。
考えをまとめゴブリンが進んだ方向に歩き始める。
少し進むとゴブリンの後ろ姿を見てが目に入る。
背後から足を狙う。
動けなくすることを目的に切断する。
「グォ」
という声と共に膝より下が飛んでいく。
足が飛んだ事に気づいたゴブリンがこちらを向き驚いた顔を見せる。
「ナゼ!キサマが生きテイるノダ!?」
その発言を無視し独り言のように語りかける。
「私は思ったんだ。君のユニークスキルが生き返ることが出来るスキルなら私は勝てないだろうと」
「ソレナr」
「ただ、君のユニークスキルは執着だろう。そこで私は考えた。生に執着することで生き返っているのでは?と。違うかい?」
押し黙るのを見て図星遠突いたことを確信する。
「まぁ、間違っていても試すだけなんだけどね。死ぬなら今のうちだよ」
反応がないので続けて言う。
「今からするのは簡単なこと。ずっと火だるまになるだけだよ」
これで自害してくれたら楽なんだけどな。
おそらく難しいだろうけど。
空間魔術を使い位置を固定して火魔術で火柱を立てる。
「グッォォ、ガァァァ」
と言う叫び声を背に歩き出す。
次は彼奴等だ。
彼奴等は一番最初の位置に戻っていた。
それとギルド長に何か話しているようだ。
ギルド長が私に気付き目が合う。
彼奴等もこちらを向き驚いた顔を見せる。
どんどん近づくことで声が途切れ途切れだが聞こえる。
「...なんでだよ、刺されたのによ」
「そうだねぇ、君に刺されたのにね」
「ギルド長、コイツ等殺していいか」
「殺しはダメだ」
「殺されかけたとしても?」
「...ダメだ」
残念、許可は降りなかった。
後で半殺しにするか。
今は戦況は悪くないし休んでおこう。
それと火柱の確認もしておかないと。
⭐︎ーーーーー
短くてすみません。
後次回遅れます
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます