第28話
厄介な存在を受け入れてしまえば、これまで見ないようにしてた問題が次々と沸いてくる。昨夜は一晩限りだからと寝床を提供する以外しなかったが、しかし、今日も泊めるとあればそうもいかない。
現に、一日の疲れを背負った僕はすぐにでも風呂に入ってゆっくりしたかったし、何より腹の虫が食事を欲していた。それは彼女とて同じだろう。きちんと整頓された部屋に荒らされた形跡はなく、おそらく最低限の範囲で小夜の相手をしていたに違いない。腹が空いたからといって冷蔵庫を漁ったとは思えず、僕はネクタイを緩めながらキッチンへと足を向けた。
「食べられない物とかある?と言っても、簡単なものしか作れないからあまり期待はしないでほしいんだけど」
「水だけでいい。お腹空いてない」
「何。遠慮してるの?だったら気にしなくていいよ。一人分でも二人分でも手間は一緒だから」
「……、」
「その代わり、そこの戸棚からキャットフード出してくれる?小夜もお腹空かせてるはずだから」
「…分かった」
彼女が頷いたのを横目に冷蔵庫を開ける。やはり、中身は何ひとつ減っていなかった。卵に豆腐。あとは鮭の切り身が冷えている。鮭を焼くことは出来たが、炊飯器の中身は空っぽだ。今からご飯を炊いていては、食事にありつけるまで一時間はかかってしまう。
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