桜が咲いたら…

 見頃になってきた春を告げる花──桜。


 毎年桜の花を見かけると、「こんな女性になりたいなぁ」と思う。どんな女性だよ!って突っ込まれそうだけど、私は毎年そう思っている。


 桜は、厳しい冬を越えて春に花を咲かせる。芯の強さや忍耐強さがありながらも、あの可憐な白ベースに淡いピンクを溶かしたような色味の花びらで、見た人に癒しを与える。影の努力を微塵も感じさせないどころか、「努力? うーん……私にとっては通常運転ですよ」って風に揺れながら微笑んでいる感じ……。これ、読んだ方に伝わるかな? 全然うまく説明できてない気がするんだが。


 ま、いいや。


 そんな感じで、毎年桜の花を見ては、「去年よりも、理想とする女性像に近づけたかなー」って、考えている。でも、全然桜の花には届きそうもない。足元にも及ばない。しかし、理想は高ければ高いほどいいって聞いたから、来年の自分に向けて努力していくしかない。理想とする桜の花を目指して。


 今年は、ちゃんとした花見はできなそう……。ズラーッと並んだ出店の前を歩きながら、眺める桜が好き。すれ違ったカップルたちのプロモーションビデオさながらの撮影風景を見て、幸せの御裾分けをいただき、「平和だなぁ」って見上げた先にいる桜の花。これが、また良き。風に舞うハート型の花びら、最高の演出だよ。そういう粋なところも桜の魅力であり、私の理想とする女性像と合致する。


 そんな桜と会える季節に花粉症なのが辛い……。来年は、ゆっくり会えたらいいな。

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人間として人間くさい話をしようじゃないか。 望月おと @mochizuki-010

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