第121話
「山南さん。」
「うん?」
漸く顔を出した太陽が、山南の顔を照らす。
柔らかい笑顔が眩しいのは、きっと太陽のせいだけではない。
「新八さんが今してるのは…もちろん、新八さんも考えての事だろうけど、なんだか、怖いっす。」
「…何故、そう思いますか。」
「僕は、此処が大好きで、みんなの事も大好きっす。だから…このままが一番いいなって。」
甘えてるっすね、と小さく付け加えてから、藤堂は自嘲気味に笑った。
「平助。」
「はい。」
山南の凛とした声が、藤堂の顔を引き締める。
伝えたい事を話す時、彼は必ずいつもより少し硬い声になると藤堂は知っていた。
「変わらないもの等、この世にはありません。全てのものは、一時も同じではありません。時には良い方向へ、時には悪い方向へと、進む足は止まらない。」
「はい。」
「けれど…何故でしょうね。」
「え?」
少し目を伏せてから、彼は不意に破顔した。
「今は、私もあなたと同じ気持ちです。変わらなければいいのに、と思ってしまいました。」
「山南さん…。」
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