第122話

駄目ですねぇ、と笑いながら山南は藤堂の隣へ座った。



「不変を願ってしまうとは、僕はまだまだ未熟者だな。」



「そんな事ないっす!それは、皆の事が大好きだからで…そう思うのは、間違ってるとは思わないっす!」



更に自嘲するように笑う山南に、藤堂は立ち上がって一気に話し出した。



勢いづいて言い切った後に、あっと声を上げる彼。



恐る恐る山南の顔を見ると、彼は驚いたように目を開いて、それから優しく笑った。



「…平助は賢いなぁ。」



再び、あははと笑う山南。



その声には、先程の寂しげな影は無かった。



「永倉くんがしている事が正しいかなんて、誰にも分からない。ですが、近藤さんに関わる事なら、近いうちに行動を起こすと思います。僕も少し注意を払っておきましょう。」



「ありがとうございますっす。」



「さて、そろそろ朝食ですよ。行きましょうか。」



「はい!」



遠くから漂う味噌汁の匂いに、藤堂は頬を緩めた。



こうして、新撰組の新たな一日が始まる。

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