肆
第116話
「新八ー、呑むぞー。」
スパンッと襖を開けた彼の第一声はそれだった。
「…当たり前のように入ってんじゃねえよ。」
ずかずかと部屋に入り込んで来た原田に、思わず溜息が漏れる。
よくよく見れば、その手には徳利が握られていた。
恐らく、台所から勝手に持ち出した酒だろう。
「そんなこと言わずにさー。見てみろよ、月が出てる。」
「だから?」
「釣れねえなぁ。月でも肴にして呑もうぜ!」
「ったく。呑みてえだけだろうが。」
「ハハッ、違えねえ!」
そう言いながら、部屋の外へ出てみると、確かに綺麗な月夜だ。
リリリ…と聞こえる虫の声に、もうそんな季節なのか、と気づかされる。
「ま、たまにはいいだろ。月見酒。」
「左之助が、こんな風情のある事するとはな。明日は槍でも降るのか?」
「俺は雪がいいかなー。」
「誰も、そんなこたぁ聞いてねえよ馬鹿。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます