第108話

彼のその一連の行動には、きちんと意味があった。



その発端の出来事が、昨夜の事である。






『…それ、確かなんやな?』



『あのような浅い傷では死ぬはずも無い。紛れもなく、あの忍びの死因は毒であろう。』





禁門の変で、毒殺された忍びの死体が発見された。



その報告を、他の監察方から受けた山崎の脳裏に過ぎ去ったのは、最近新撰組に囚われた謎の少女の姿だった。



池田屋での一件で、彼女が毒を操ることは判明している。



山崎もこの職についてから長いが、毒を使った事は無かった上に、そのような話も聞いた事が無かった。



故に、恐らく、その忍びに手を掛けたのは彼女だろう。



だが、それだけならば何の問題も無い。



彼女が運悪く対峙してしまった忍びの命を奪った、と言うだけで事足りる。



山崎が引っかかりを覚えたのは、その次の言葉だった。

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