第107話

その頃。



「確か、このへん…やったか…?」



ごそごそと埃っぽい押入れの中を探っていく。



部屋には、それまでに出した書類が山積みになっていた。



それらには、新撰組の活動や資金の遣り繰り、さらには過去に起こった事件について等、様々な秘密情報が記されている。



「あ、あった。」



そう言って、舞うほこりにむせながら出てきたのは山崎。



手には、薄緑色の表紙のある書物が握られている。



辺りに散らばった書類を退かして、人一人が座れる場所を確保すると、山崎はそれをペラペラとめくり始めた。



その度に白い誇りが舞うのも全く御構い無しで、それを真剣に眺めていく。



と、ある頁で、その手は止まった。



「…街のはずれ。」



ぽつんと呟かれたその言葉は、先ほど斎藤から聞き出したもの。



つらつらと何かが書かれたその頁を読み終わると、山崎はふうっと息を吐いた。



「まさか、なぁ…?」

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