第100話

「…まあ、ざっくり言えば俺の興味、やな。」



暫しの沈黙のあと、山崎はポツンと呟いた。



「興味…?」



「小芝は、見ての通り普通の女子やない。不思議なことに、どこ調べてもなかなか情報が出てけえへん。少しでも手掛かりになるもんは抑えておきたいんや。」



驚くほどにその瞳は静かで、何も映していなかった。



「…今聞いたこと、全部内密にしてくれへん?」



「内密…?」



「せや。副長にも、局長にも。まだこれは俺のただの推測やさい、気にせんでほしい。…って言っても気になるやろうけど。」



「…承知。」



山崎の不意に見せた真剣な表情に、斎藤は暫しの間を空けて頷いた。



「堪忍なぁ。」



「山崎さんが其処まで言うなら、です。」



「ま、そない言うてくれると思ってたから、斎藤はん呼んだんやけどな。」



ははっと歯を見せて笑った顔には、先程の憂いの影はなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る