第90話
家の中に入ると、既に奥の部屋から火が上がっていた。
熱い。
地獄のような暑さの中、蝶は声の限りで叫ぶ。
「キリ!勘助っ!!いたら返事をしろ!」
ゴウッと音を立てて、柱が燃え始める。
「…て!助けて!」
「…っ!」
幼い声が聞こえた。
少女の声と、幼い子の鳴き声。
即座に、そちらへ向かうと一つの部屋に二つの人影がユラユラと煤けた壁に映っている。
間に合った…!
そう思ったのも、束の間だった。
「…っ!!」
「お願い、勘助だけでも連れて!早く逃げて!」
蝶が踏み込んだ部屋には、確かに二人がいた。
泣きじゃくる勘助。
そして、柱に下敷きになって叫び続けているキリが。
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