第80話

「らあぁっ!」



次々と斬りつけてくる敵、その度に振るう己の剣、周囲の雄叫びはもはや耳に入らなかった。



目の前に集中してどれくらい経っただろうか。



「っ…はあ、はあ…」



息が苦しい。



腕が重い。



脂の乗った愛刀は既に斬れ味を失っていた。



俺はいったい何人斬ったんだ…?



「トシ!」



ザシュッ



背後に感じた殺気がふっと消え、懐かしい呼び名と共に現れたのは。



「近藤さん!」



大きく刀を振りかぶる男、もとい近藤は頬に付いた血を豪快に拭う。



「無事か!」



「なんとか、な!けど!」



再び眼の前の敵と対峙し、夢中になって刀を振るう。



いつの間にか、二人は背中を守り合うように刀を構えていた。



「…こちらもかなりやられているがな。」

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