第79話

その頃。



「追えええ!一人たりとも逃すんじゃねえぞ!!」



辺りは鉄の匂いが充満していた。



ザクリ、と目の前の体を斬りつけると断末魔と共に紅い血がほとばしる。



…鼻が曲がりそうだ。



そんな事を思いながら、土方はその怒号のような指示を飛ばす。



遠くに見えるのは、長州の者たちの背中。



浅葱色の羽織に斬りつけられ、その背中がまた一つ消えていった。



「おおぉぉぉ!!」



隊士達の声がこだました空はどこまでも青く、踏みしめた地はどこまでも赤かった。






元治元年 七月 十九日



長州勢は伏見より北上し、大垣兵と激突。



その知らせを受けた新撰組だったが、駆け付けた時には戦はほぼ終結しており、彼等は長州勢の追撃に当たっていた。

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