第76話
「しかし、妙な事もあるものだ。」
間合いを取ってから、蝶は息を整える。
…次の一手をどう行くか。
鋭い目線でそれを探る蝶。
口を開きつつも、目に籠る殺気だけは解かない男。
「まさか、女の忍びが戦場に立つとは。」
余裕を見せる男に、蝶は苛ついたように舌打ちした。
「女だって戦って何が悪いんだ。」
…チャキッ
今だ!!
男の刃物が触れ合う音と同時に、蝶は上へと飛び上がる。
それを追う男の手裏剣。
ダダダッッ
しかし、そこに彼女の姿は無い。
刃物が木に刺さる音だけが響く。
「っ!?」
その時。
「…よっと。」
ヒュッ
ドスッ
彼女の声がした。
同時に、鎖に繋がった何かが男に振り下げられる。
鎖に振られ、それは男の背中へと深く突き刺さった。
「ぐっ…ぐぇ…っ!」
ほぼ心臓の位置に命中したのは、
「鎖鎌、か…?」
「そう。」
先程までの劣勢を覆した蝶の声に、漸く落ち着きが見え始めた。
「ど、うやって…」
「上に飛び上がった時に枝に手を絡ませてぐるっと一周。そこから、鎖鎌を投げただけさ。君のような図体じゃ無理だろうけど。」
女なら、できる。
蝶はそう言って鼻を鳴らした。
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