第75話
ダダダダダッッ
物凄い速さで、苦無が飛んで来る。
昼間とはいえ、薄暗い森の中。
音だけが命を繋ぐ頼り。
ザッ
「…っ!」
太ももに熱さを感じた。
途端に鈍るその動き。
まずい…!
「その程度であったか。」
暗闇のどこかから聞こえる男の声。
上か?正面、違う、何処だ?
「そろそろ終いか。」
ダンッ
すぐ後ろに大きな衝撃が来る。
「…!」
「くっ…!」
咄嗟に振り返り突き刺す小太刀。
その切っ先は見事に、男の腹を捉える。
が、すぐにそれを抜き去ると、男は蝶へ手を伸ばす。
ザクッ
伸ばされた右手に苦無を投げつける。
命中した。
しかし、男の手はそのまま蝶の首へ迫ってきた。
「…ぐっ!かはっ!」
強い力で掴まれた首。
息が、出来ない。
…苦しい。
「…お前さんの腕もこれまでか。やはり幕府にはもう」
ザシュッ
掠れる意識の中、もう一本の小太刀を懐から出す。
勢いよく斬りつければ、男の手は血を吹いた。
「…成る程。まだ楽しめるか。」
ニヤリと笑ったのが、空気で分かる。
只者でない雰囲気だけが、バシバシと伝わった。
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