第68話
「お、さすがに副長には折れたか。」
「目的の為だ。」
「おーおー、怖い顔しとるわ。」
土方の策にまんまと引っかかった彼女が連れ出されたのは、山崎の部屋だった。
当の土方は、隊士を纏めるのに忙しいと愚痴を零しながら広間に戻って行った。
「詳しい事は山崎さんに聞けと言われた。何があってるんだい?」
「…あんの副長、全部俺に投げたな。」
蝶を部屋の中へ促すと、山崎は外に誰もいない事を確認して静かに襖を閉める。
「池田屋の件は分かるな?」
「分かる。長州が少しずつ戻って来つつあると聞いた。」
「せや、今回もその続き。池田屋でやられて激昂した輩が、今度は帝に冤罪を訴えるとか言うて嘆願書を出したんや。」
「帝は?」
「長州に退去命令を下してはる。せやけど、長州はそれに背いて挙兵しよってん。そこで、会津藩に命が下った。」
そこで言葉を切ると、山崎はにいっと笑った。
「会津藩からの直々の命令。竹田街道の守護にまわれとの事や。」
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