過ぎたこと

第50話

「へえ、こんなん使てるんや。」



「旅で少しずつ集めたんだ。安物だから、形も大きさもばらばら。」



「でも、なかなかええ刃してるよ。これとか。」



「これは…」



昼の柔らかな日差しが差し込む中。



そこらじゅうに苦無や小太刀が転がっている、側から見たらかなり物騒な部屋に、山崎と蝶が向かい合っていた。



土方の策略によって新撰組に居ることになった彼女は、念の為にと荷物の調査が行われた。



むしろ何故今まで調査されていなかったかが不思議であるのだが、それは近藤の好意だったようで、蝶は素直に感謝した。



彼女が持つ武器のほとんどは、監察方などが多く使用する苦無や手裏剣。



そこで、その武器を専門に使う山崎が彼女の部屋を訪れた。



医者ではなかったのか?と思ったが、どうやら山崎は隊医としてだけでなく、忍び者として新撰組に居たらしい。



「女の身でそこまで武器扱えるとはなぁ。毒針とか、えげつな。」



「命の危機だったんだ。仕方ない。」



「まあ、そのおかげで二人とも助かったんは事実やな。」



「感謝して欲しいくらいだ。」

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