第48話
ある目的、という言葉に冷や汗が出た。
にやり、と土方の口角が意地悪く上がる。
それが余計に癪に触り、蝶は隠すことなく舌打ちした。
「その目的が何故人殺しとなるんだい、理解に苦しむが?」
「これまでの行動を踏まえて導いた可能性の話だ。だが、この話をして焦る今のお前が何よりの証拠だろ。」
「っ」
しまった。
そう思い、彼女が口を噤んだ時にはもう遅かった。
「お前は長州の疑いは消えたが、今、罪人としての疑いが浮上した。」
「は!?」
「しい奴を外に出すとなると、そりゃ俺達の職務怠慢になっちまう。それを弁明したいなら、それ相応の証拠を探して来い。」
「ふざけんな!」
「話は終いだ。俺は忙しい。」
そう言うが早いか、土方はさっさと立ち上がり、そのまま襖に手を掛ける。
「…まだ話は終わってない!」
そう言って反射的に彼女は土方に手を伸ばす。
が、すぐにその動きを止めると、顔を歪めた。
その手は、包帯の巻かれた首を抑えている。
「小芝さん無理してはいけません、傷が…」
「土方さんっ」
山南さんの止める声を聞かず、彼女は土方に言葉を投げかける。
しかし、
「聞こえなかったか。」
彼が足を止めることはなかった。
「俺は忙しい。」
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