第46話

「い、いや、謝らなくても良い。君たちが、疑いをかけざるを得なかった事ぐらい、分かっているつもりだ。」



局長にならって、頭を下げる一同に慌てて言葉をかける。



まさか、こんなことになるとは。



「こっちこそ、長居してすまない。傷だってすぐに治りそうだし、明日にでも出るつもりだからな。」



だから早く出してくれ、外へ。



という本音を飲み込んで、蝶は彼らから解放されるのを期待していた。



しかし。



「…その事なんだが、」



近藤が重々しく口を開いた事で、その期待は早くも裏切られた。



「小芝くんの傷の面倒を診るのはこちらで最後までするつもりだ。しかしな…。」



「…。」



ばつが悪そうに、近藤は口を開いたり閉じたりしている。



それを見かねた土方が、ひとつ咳払いするといつもの喧嘩口調で言った。



「てめえが長州の野郎じゃねえ事は分かった。だが、池田屋の件で聞きてえことがあんだよ。」



「…。」



どうして、こうも喧嘩腰な喋り方なのだろうこの人は。



蝶はひくつく頬をどう隠すかに専念した。

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